事業承継コラムvol.3 -あなたの物語を聞かせてください-

日本経済新聞の『私の履歴書』をご存知の方は多いだろう。

朝刊最終面(文化面)に掲載されている連載コラムである。

スタートは、1956年3月。かれこれ64年も続いてきた、超ロングヒット企画である。

目次

なぜ『私の履歴書』はこれほどまでに読み手を魅了してきたのであろう?

「物語には人を惹きつける力がある」

それが私の結論だ。そして、きっと多くの方が賛同することであろう。

 

例えば、会社の沿革を見ても、そこに共感は生まれない。

「1958年8月 即席袋麺チキンラーメンを開発」

という事実からは「そうだったんだ」という程度の理解しか生まれない。

 

一方で、

「日清食品の創業者安藤百福は終戦直後の冬の寒い中、

大阪駅近くの闇市でラーメンの屋台にできた長い行列を見て、

ラーメンという食べ物への需要にひらめきを得た。

即席ラーメンの完成まで、毎朝5時に起きて、夜中の1時、2時まで研究に没頭した」

という物語を知ると、胸に迫るものを感じるのではないだろうか。

 

当時の時代背景や人々の暮らしを目蓋の裏に思い浮かべながら、

主人公がひらめいたこと、工夫したこと、どれだけ努力したのかが分かってくると、

ついついそのストーリーに惹きつけられてしまう。

あなたはどのような物語を生きてきたのだろう?

どのような時代を生き、何を感じ考え、どのような出会いや偶然があったのか、

自分の物語を語ってきただろうか?大切な人に伝えてきただろうか?

 

偉人や著名人の物語に共感することも素晴らしい。

しかし、それよりも、あなた自身が自分の物語を語ることは、

あなたの人生をもっと豊かに、パワフルにしてくれる。

さらに、あなたと繋がりがある、社員や家族、仲間、

地域の人たちを惹きつける力が生まれるかもしれない。

 

国を作った偉人として光をあびることはないかもしれないが、

社員のため、家族のため、地域のために

自分の物語を一生懸命生きて来た経営者が、

地域にはたくさんいることを私たちは知っています。

 

ぜひ、あなたの物語を聞かせて下さい。

それが地域の未来をつくる種になることを私たちは信じています。 

湘南MIRAI承継
執筆者
湘南MIRAI承継 キャリアコンサルタント
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