事業承継コラムvol.7 -私の事業承継「建築士事務所編」-

昭和41年に父親が開設した建築士事務所を5年前に引き継ぎ、今年は初めての更新時期となりました。

私がこの設計事務所に入ったのは平成11年頃。
当時の建築業界は不景気の真っ只中ということもあり、今後は仕事の幅を広げないといけないなぁなどと思い、知人などのアドバイスもあって、1級建築士取得後も他のスキルとして不動産鑑定士の資格を目指すことにしました。
不動産鑑定士の資格を取得するためには実務経験も必要だったため、週の半分を父親の設計事務所、もう半分をお世話になった不動産鑑定事務所で実務経験を積ませていただきました。そして、不動産鑑定士の資格取得後の平成21年に今の法人を立ち上げました。

事業承継には色々なパターンがあるかと思いますが、私の場合は併走型?の承継といいましょうか、父親の経営している個人事務所と同じ事務所内に別の法人の不動産鑑定事務所を併設して営業しておりました。
設計事務所は、個人事務所の場合、事務所の開設者が引退したり亡くなったりすると事務所を継続できず、廃業の届出をしなければいけません。そのため、業務は引き継ぐものの、事務所名は引き継がず、いずれは今の法人で建築士事務所についても登録できるような定款にして法人を設立することにしました。

法人で建築士事務所登録をしたときは、父親が余命宣告された後で、個人事務所を廃業するまでの数ヶ月間は同じ事務所内に建築士事務所が2つある状態でしたが、本来であればもう少し長い移行期間があっても良かったかもしれません。
やはり今振り返ってみても、スムーズな事業承継には、準備の方法と綿密なスケジュールが必要であると感じております。

鈴木 泰三
執筆者
(株)鈴木設計・鑑定総合事務所
代表取締役
鈴木泰三(一級建築士、不動産鑑定士)
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