事業承継コラムvol.10-今から始めよう「ふるさと納税」-

今回の事業承継コラムは少し事業承継から離れて、今改めて知っておきたい「ふるさと納税」について税理士の宮本よりお伝えします。いつでも始められるからこそ、早めに考えておくことも大切ですね。

自分の故郷や応援したいと思う自治体に寄付をできる「ふるさと納税」。今回は、ふるさと納税の基本から控除上限額の試算などについてご紹介しましょう。

Q1) ふるさと納税とは何でしょうか?

Al)ふるさと納税とは、生まれ育った故郷や応援したいと思う自治体に寄付をできる制度です。寄付金の使い道を自分で選べ、その地域の特色を生かした肉や魚介類、お酒などの名産品も受け取れるため、とても魅力的です。

Q2)ふるさと納税の魅力や注意点について教えてください。

A2)寄付金の合計額から2,000円を引いた額について、所得税の還付、住民税の控除を受けられます。ただし、控除上限額は収入や家族構成によって異なるため注意しましょう。

日本各地の名産品を楽しめることも魅力といえます。多くの自治体が寄付への返礼品として、地城の名産品を届けています。届いた返礼品が気に入れば、年内に再度同じものをリクエストして寄付することもできます。

注意点としては、寄付金額が控除上限額以内であれば実質2,000円の支出となりますが、控除上限額を超えた場合は本当の寄付金となることです。

Q3)寄付の締め切りはいつですか?

A3)毎年12月31日が締め切りです。ふるさと納税の控除上限額の集計は一年ごと、毎年1月1日から12月31日までの間に行います。そのため、年末には申し込みが殺到します。クレジット決済などで年末ギリギリの駆け込み納税を行うと、自治体によっては翌年にカウントされる場合があるので、日にちには余裕をもって寄付しましょう。

Q4)ふるさと納税の控除上限額は、どのように試算すればよいでしょうか?

A4)ふるさと納税の対象となる所得は今年の分なので、正確には今年の12月末にならないと所得がわかりません。そこで、収入が給料のみの方は昨年の源泉徴収票をもとに、毎年確定申告をしている方は昨年の確定申告書をもとに控除上限額を試算することができます。後者の方については、不動産を売却したというような臨時所得があった年は、控除上限額が増えるので注目です。収入や家族の人数などを入力すると、控除上限額を試算できるウェブサイトもあるので活用してみてください。ただし、年内に大幅な年収の増減や扶養親族の増減などがあリ、大きく所得金額が変更となる場合は、試算額が大幅に変わるため注意が必要です。

本来ふるさと納税は、自分が育った故郷に恩返しする意味で始まリました。地元の公立の中学校を卒業するまでは、各市区町村がその授業料等を負担します。しかし、都会に出て稼いだ税金は今現在居住する市区町村に納めることとなり、故郷の市区町村には入りません。「自分を育ててくれた故郷に、少しでも恩返しを!」と故郷への感謝の気持ちを込めて、ふるさと納税を利用してみてはいかがでしょうか。

宮本 泰三
執筆者
税理士宮本泰三
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